私の顔は、尋ねやすい顔をしているのかな。

仕事に行く時、晴れていると自転車で農道を通って行きますが、天気が悪いと歩きとバスになります。停留所まで歩いて10分、バスに乗って15分位のところで降ります。

曇りだといつもぎりぎりまで迷うのですが、その日も迷い諦めてバスにしました。停留所まで早歩きをして、着いたとたんバスが見えてきました。
良かった、間に合ったと心の中でホッとしました。家を出るときぎりぎりまで自転車にしようか、バスにしようかと迷って結局バスにするといつもこのようになってしまいます。

そしてバスに乗り腰掛けました。すぐに次の停留所の名前が言われ、止まり次々とまた人が乗りました。そのうちの一人の若い女性が、ちょっと周りを見てから私に「○○まで行きたいのですが、このバスで大丈夫ですよね?」と聞いてこられたのです。私もこのバスでは仕事場までの停留所までしか行ったことがなかったので、私が降りるところはこのバスの終点までを考えると半分位のところで降りてしまうのです。その女性のかたが言っているバスの停留所は私が降りてからその幾つか先の停留所だったと思うのです。

でもこのバスは、この道をただひたすらまっすぐに行くのは知っていたので「大丈夫だと思いますよ」と答えました。絶対大丈夫という程自信もなかったので、そう答えました。その女性は少しほっとした様子で「どうもすみません。ありがとうございます」と私に丁寧に少し会釈して、私の前に腰掛けました。そして私が降りるバス停留所に着いて降り、仕事場に向かいました。

それからまた天気が悪い時に、何度かバスに乗りました。半月ほど経ってバスに乗って仕事場に向かっていた時に、またあの女性のかたが乗ってきて私に同じ事を聞いてきたのです。私は「大丈夫です」と答えてから、なんかちょっと悪いかなと思いながら「前にも私に同じ事聞いたかたですよね?」と聞いてしまいました。女性のかたは「はい、聞きました・・すみません、何度も・・自信がなかったもので・・」と言われました。私も「いいえ、別にいいんですけど、ちょっとびっくりしてしまって」と答えました。そしてもちろんまた、私の方が先に降りました。

半年位経って、今度はスーパーで彼女に会いました。旦那さんも一緒でした。彼女も私の事を覚えていて、挨拶され旦那さんにも紹介してくれました。もちろんお互い名前なんか知りません。「前に話したでしょ、バスの中で親切にしてもらった話し、このかたです」と紹介されました。